これが、私の普通
おそらく、荷物を取りに我が家に出入りをしていたのだと、私は思った。

その証拠に、父親の部屋の荷物は、ほぼ無くなっていた。

もう高校生になっていた私は、゙大人゙の目線で父親と話をしようと思い、父親の携帯電話に電話をかけた。

繋がらない…。


父親は、唯一の連絡手段である携帯電話を変えていたのだ。

ショックなのか、驚きなのか、悲しみなのか、理由の分からない涙が、頬を伝った感覚が分かった。


それから「あの日」以来、「あの通話」以来、父親と関わる事は今日まで一切ないのである。
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