ハッピー☆ウエディング

あたしが愛を語りたいと思ったベンチで、男女が濃厚なラブシーンを繰り広げていた。



街灯で照らされて、そこだけスポットライトが当たっているようだ。



周りは暗いのに、やけにはっきりと見える。





ひぇー!!!


ディープなキスだ・・・・






見ちゃいけないってわかってるのに、どうしてもそこに視線が引き寄せられてしまう。




「・・・・・・・・」




若い男女。



女の子は、キスに酔いしれて目がトロンとしてる。


髪をツンツンに立てた男の子は、慣れた様子でキスを繰り返してる。







うわ・・・


きっと、何人もの子とそーゆう事してるんだろうな・・・・



遊んでそうだもん。







「葵?」

「ぎゃっ!」







先を歩いてた慶介が立ち止まっているあたしを呼んだ。



不意に呼ばれたから驚いて、軽く飛び跳ねてしまう。




「どうした?」




慶介は不思議そうに首を傾げてあたしを眺めている。



「うんん、なんでも・・・」





慶介の方に行こうとした瞬間、さっきの男の子と目が合った。




それも、バッチリ。





あたしは固まってしまう。



見てたのバレた!?





バレましたかっ!?





お邪魔しました、と苦笑いをして頭をペコリと下げた。






男の子は、キスを続けながら、そんなアホみたいなあたしにウインクをした。




「!?」



なっ!!



なにそれー!!!?


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