ハッピー☆ウエディング
「なんかあった?」
「・・・・・・」
慶介の声も上の空・・・・。
見てたのバレたうえに、バカにされた!!!
なんなのよー!!
人のラブシーンなんて見るもんじゃない。
「はぁ・・・」
あたしは無意識に溜め息をついた。
「具合、悪い?」
慶介が心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
反応がないあたしを見て慶介はまた溜め息をついた。
「わぁ・・・きれー」
あたし達を乗せたゴンドラは頂上に達するところだ。
そこから見渡す景色は、まるで世界に宝石を散りばめたように儚く輝いている。
「・・・・・・」
この星の中に二人だけ浮かんでいるような感覚にさえなってしまう。
ふと、目の前に座る慶介に視線をずらす。
慶介はイスに身を投げ出しあたしとは反対側をぼんやり眺めている。
その横顔が、あたしにはとても幻想的でキラキラして見えた。
「慶介?」
その輪郭が暗闇に溶けてしまいそうであたしは思わず声をあげた。