ハッピー☆ウエディング

「・・・・・・」


慶介は、ただ黙って絵梨ちゃんを見つめている。

見つめ合っている二人がなんだかただの兄妹には見えないよ・・・・



下唇をキュッと噛み締めていた絵梨ちゃんは、今度はあたしに視線を向けた。

涙で真っ赤に充血した瞳に真っ直ぐ見つめられてあたしは、ビクンと体が震えた。



「なんで、慶介があんたみたいな子供と結婚しなくちゃいけないの!!?
なんでよっ!
だって・・・全部アイツらの計画通りじゃない!
アイツのせいで慶介がしなくていい結婚する事ないよっ」


「・・・・・」

「・・・・・・・」


ボロボロと次から次へと涙を流す彼女をあたしは、ただ黙って見ているしか出来ない。





頭が混乱してる・・・・



胸がドキドキするの・・・・・・


今、何が起こってるのかいまいちピンとこないんだ、あたし。



両手で顔を覆ってなき崩れてる絵梨ちゃん。




彼女が言ってる事は、単に制約結婚の事なんだろうか。


慶介は、そんな彼女を黙って見つめている。
そして、慶介はとても静かに口を開いた。

< 189 / 337 >

この作品をシェア

pagetop