ハッピー☆ウエディング

「絵梨・・・・」

慶介の声に絵梨ちゃんは顔を上げた。
そして、なにかを思いついたように勢いよくイスから立ち上がりながら言った。


「あたし、決めた!アイツと結婚する。そしたら、慶介は結婚しなくても済むんでしょ?
だから・・・・あたしがアイツと結婚するよ」


身を乗り出して訴える絵梨ちゃん。
慶介は、それを黙って見つめている。


「・・・・・・・」


絵梨ちゃんの言った言葉が一体どう慶介に伝わったのか、あたしにはわからない。
二人が見つめあっているのを、なんだか客観的に見てる自分がいる。





慶介?

なんで、なにも言わないの?





絵梨ちゃんの言葉がグルグルと頭の中を回ってる。




“そしたら、慶介は結婚しなくても済むんでしょ?”





目の前が真っ暗になるってまさにこの事だ。


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