ハッピー☆ウエディング
「イイことしよっか・・・・・オレ優しくするし・・・・」
耳元で囁かれ背筋に悪寒が走る。
あたしは周りを見渡した。でも、この騒がしい室内であたしの危機的状況に気が付いてくれる人は居ない。
お父さん!お母さん!!
2人とも上司の近くでお酒をついでニコニコしてる。
気づいて!
あたしは涙目になりながら父と母を見つめる。
だけどそれは空しく宙を仰ぐだけだった。
慶介!!
慶介が座っていた席を見たけど、別の誰かが座って楽しそうに話をしている。
「二人っきりになろ・・・・」
「・・・・や・・だ・・・・」
男がしっかりとあたしの腕を掴んで離さない。
強い力にあたしの身体はなすがままに引き上げられた。
ズルズルと引っ張られ部屋の外に連れ出されてしまった。
男は時々振り返り不気味な笑みを浮かべる。
腕を振り払おうにも到底敵わない。
「離してください!!」
あたしの悲鳴にも似た声は、男の耳には届いていない。
も・・・だめかな・・・・・
あたしのバージン・・・・・
こんな知らない人に捧げちゃうのか・・・・・・