LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
ホテルのロビーで待つように言われてからもうずいぶんたつような気がする。

僕は、何度もスマフォを出しては、時間を確認していた。

一分がこんなにも長いなんて、

いいのだろうかこんな事をしていて、

こんな間にも、もしかしたら柊が危険な目に会ってるかも知れないのに。

大体、あんなヤツの言うことを聞くこと自体嫌でたまらない。

今思えば、昨日突然のあいつの誘い

あれ自体が罠だった気がしてならない。



一昨日の夜のことだ……

見知らぬ番号から電話がかかって来た。

聞き覚えのある声は、

もうずいぶん前から友達みたいに、馴れ馴れしく

俺の名前を呼ぶ。


「あ、彗君だよね、俺俺この間はどうも!」

「はあ?オレオレって仲ですか僕たちは。」

「はは、堅いこと言わないでよ。

 同じ女を好きになった仲だろ?」

「-----あなたの神経疑いますね。」

ホント信じられない。

柊が好きになった男だからと思って、

最低限の会話はしなくちゃと思ってたけど、

僕には到底理解できない人種だ。

「……で、何の用です?

 大体、なんでこの番号知ってるんですか?」

「前に会った時に教えてくれたんだろ君が、

 柊には連絡するな、どうしても連絡取りたいときは君を通せって。」

「ああ、そうでした。

 まさかホントに連絡してくるとは思いませんでした。」






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