LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「あ、そうそう神宮君は元気ですか?」
「は?」
突然、彗の名前が出てきて驚いた。
「今、外商にいるって聞いたんですけど、会うことありますか?」
「え、ええ、元気ですよ。」
なんだ、彗と私の事を知って言うるのかとおどろいたけど、
そういうわけじゃあないのね。
「彼、昔ここでアルバイトしてたんですよ。
ほら、あの通りイケメンさんじゃないですか、
バイトやお客さんにも彼のファンがいてね、
私も彼の顔が見たくてわざと同じシフトにしたりして、
ふふ、職権乱用ですよね。」
「そ、それはいつのことですか?」
「ええと、大学3年生ぐらいだったかな、
今から5年前ぐらい。
コーヒーサービス始めて、丁度忙しくなった頃ですかね。
アルバイト増やした時に入って来た一人ですね。
ああ、そういえば、丁度高木さんから、安藤さんに担当が変わった頃ですね。」
「ああ、そういえば笠島さんが凄く褒めてた子?」
「覚えてますか?そう。彼です。
あの頃がこの店舗の全盛期だったかもしれません。」
「全盛?売り上げは今の方がいいでしょう?」
「ええ、でも、スタッフも充実してたし、
何より、
高木さんが協力的だったから、
商品も充実してて、
色々任せてもらえてやりがいも凄くあったんです。
あ、安藤さんにはオフレコで、
彼も、いい方なんですけど、融通っていうんですかね、
こういう商売って水ものですから、
前例がとか、本部を通してからとか、
そういう風にしてるうちに流れって変わるから。」
「笠島さん。
私やっぱり笠島さんには仕事続けて貰いたい。
人事部に掛け合って、希望に添える店舗探させてください。」
「あの、決してそういうつもりで言ったんじゃ……」
「判ってます。でも、そうしたいんです。」