LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
冷ややかな背中に視線を感じつつ、

軽く会釈をしながら庶務課を後にする。


可愛げのない気の強い女。


多くの社員たちがそう言っているのは知っている。


特に女子社員達には、あまり良く言われていない事も。


直接の部下に面と向かって言われたことは無いけれど、

数少ない女性の役員。

羨望のまなざしって言うよりやっかみや中傷の方が多い。

彗と付き合っている事が公になってから、

ずいぶんたつけど、

金と権力で年下の男を囲っているみたいな、

気分の悪いうわさもあるみたいだ。


係長なんて言ったって部下は4名しかいない部署。


権力なんてないし。


それに役員手当なんて、ろくに付かないのに

残業代は出ないし、

普通に平でいた方が気楽だったし

残業してた分お金だって稼いでた。


お金かあ

……あるのは彗の方だし、

ふと、昨日見たゼロの沢山並んだ小切手を思い出した。


傷ついたような彗の表情も一緒に。


私の考えのない行動で、彗は傷つけた。


できるなら私が取り除いてあげたいとも考えたけど、

その結果また傷つける結果になったらと思うと、

そんな簡単に行動を起こしていけない。


彗のことは彗自身で解決すべきことなのだ。

たとえ、発端が私でも……













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