LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
BBBbbbb...

ポケットのスマフォが振動を刻む。

画面を開いて、フッと息をのんでしまった。

”神宮零斗”

出るべきか出ざるべきか……

ええい

「はい、高木です。」

-----あ、柊ちゃん?昨日はありがとう。

  どうした?彗にh会えたの?

「はい。お預かりしたものは渡しました。」

-----え?そうなの?可笑しいな?

「え?なんでしょう。」

-----あ、いやいや、こっちの話。

   さすがのあいつも、彼女には突き返したりしないんだ。

   そう、渡してくれたんだ。どうもありがとう。

   柊ちゃん今日は、時間とれるかな?

   お礼にご馳走したいから。

「あ、いいえ。折角ですが、仕事の打ち合わせが入ってまして、

 それに、彗の知らないところで神宮零斗さんにお会いするのは、

 ご遠慮させていただきたいんです。

 彼の気持ちを一番にしたいんです。」

----ふうん。そう。

  じゃあ仕方ないね。

  柊ちゃんは話の分かる子だと思ってたんだけどな。


「あ、あの。

 お気を悪くさせたらすみません。

 私は決して、迷惑とか、仲良くしたくないとかそういうんじゃないので……」


---いいよいいよ。

  大丈夫。渡してもらっただけで充分だったから。

  それに、アイツの弱点は、大切にしないとね。

  ふふふ、じゃね、柊ちゃん。また会おうね。


ブツッ

一方的に切られた電話に茫然としつつ、

これで大丈夫だったわよね?

彗がきっと自分で考えて動くはず、

私は信じて待てばいい。

心の中で何度も繰り返した。



 


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