LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「演技なんてそんなの、
彗と、どのくらいこうやってると思ってる?
そんなもの通用するわけないじゃない?」
「柊と会社でだけだよ、
一人称で、僕って言ってたの。
年下扱いされるってわかってたから
あくまで年下らしくふるまって、
注意を引こうとしたんだとしたら?
計算で俺は柊をものにしたとしたら?
それでも、俺が信じてられる?」
「馬鹿ね!」
何かを怖がるように
私の答えを待つ彗は、
いったいどんな答えが欲しいんだろう?
「彗は、
私のどこが好き?」
「え?ずるい、
質問に質問で返すなんて、
そんなの……
全部に決まってる。」
「同じでしょ。
全部。
いまこうしてカミングアウトする彗も
いままでずっと私といっしょにいた彗も
全部。
何も違わない。
大好きな彗でしょ。」
「柊……」
「ん?」
「ありがとう。」
そう言いながらも寂しいそうな笑顔はいったいなぜ?
雨上がりの空気は
今にも凍りそうで、
彗の吐き出す息が、
私との間に白く煙って、
なんだか遠くに行ってしまいそうで不安になる。