LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「ああ、着いたか。」

聞きなれた声に振り向くと、

おなかをふっくらとさせた奈央さんを連れた、

業兄だった。

「こんにちわ、久しぶりね彗くん。」

「あ、はい、こんにちわ。ご無沙汰してます。」


「恥ずかしいわ、すっかり太ってしまったから。」

「いや、そんなことは無くて、

 相変わらずおきれいです。」

「ま、彗君たら、業、彗君感じ変わったわね。」

「な、言ったとおりだろ?」

前に会った時、

実家に帰ってしまったって話だったけど、

なんだ、仲いいじゃん。

そういえば、

くるりと向き直って、

中川さんのおなかのあたりに視線を向けると、

はっとしたように、

中川さんはおなかを押さえた。


「あ、もしかして聞いてる?」

頷くと、

「実はね……


 だめだったの。

 ちゃんと着床しなかったっていうか、

 早期流産しちゃったの。」


あまりにあっけらかんという中川さんに、

言葉を失ってしまった。







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