LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして

「ありがとう……」

兄貴たちがニッと笑って

さっき打った後頭部のコブを

二人捨てぽこぽこ叩く。

「ぅいって~よ!」

「あははっ。可愛いからついっ

 許せ弟!」

兄貴たちの隙間から見える親父は、、
いつものように偉そうな表情で、

だけど

目元に深く刻まれたしわと、光るものが見えた



本当に俺たちは似ているのかもしれない。

大切なものができたからこそ見えてくるものもある。

親父にも、

俺にも、

はたから見れば遅すぎるくらい、

でも、その時間が俺たちには必要だったのかもしれない。

出会ってから何度も

握られることのなかった掌

もし今握り合えたらすべてが

許しあえるそんな気がする。



「親父!」

差し出したその手は

今初めて重なった。



*。.*。.*。*.。*







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