LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして

自分は価値のないものだと、

厄介者だって

いつも自分の身を守るために、

心にバリアを張ってきた。

どんな事があっても、

心を隠すことでどんな自分も演じてこれた。

人の顔色を見て、

どうしたら嫌われないか考えて行動してきた。



愛されてた?


俺は気がつかないだけで

愛されてたのか?


柊に会って初めて得ることができたと思っていたそれは、

初めから俺は持っていた?


「私と私の家族との間を取り持ってくれたのは彗、

 あなただったでしょ?

 片思いだった家族を結んでくれた素敵なキューッピット。

 キューピットは愛を知らなきゃできないんじゃない? 

 あなたはちゃんと愛されてたのよ

 人を愛せる人になったのは、

 愛されていたからなのよ。

 ねえ、彗?

 私たちは、知らないうちにそういう大切なものを

 見落としていたんだと思うの」

目を伏せてもう一度、

周りの人たちの顔を見る。


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