LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
高木柊(たかぎひいらぎ)

株式会社リルファ営業部営業促進係長。

彼、神宮彗(じんぐうあきら)は

企画部一課2年目

まだ。学生気分が抜けなくて

人懐っこい

ゴールデンレトリバーみたいな

年下わんこ。


只今、半同棲中。

「ああ、もう。

 ブーツを履きながらエレベーターを待つ。」


「柊!バッグ忘れてる!」


「あ」


Tシャツとスェット姿でバッグを持って彗が追いかけてきた。

コートとブーツしか持って出なかったことに気づいて、

自分の焦り具合に呆れた。


「はい。うっかりものですね柊さん!」

「もうっ誰のせいなのよ?」


「すみません。」

にっこり笑ってバッグを差し出す彗の頭を思わず撫でてしまう。

「ありがと」


彼は小さくふふっと笑って

「ご褒美ください。」

と目をつぶって顔を突き出す。

ちゅっ

軽くキスして、

着いたまま乗者がいないエレベーターが音を立ててしまったので

慌ててボタンを押して開いたところに飛び乗った。


「じゃ後でね」


そう言って手を振るあたしに

「はい。お昼休みいつものところで待ってます。」

彼はゆるーい顔であたしを見送った。


一人になったエレベータの中で、

私は、自分の顔が緩んでしまうことを

抑えるように両手で頬を抑えて、

ふうっ

とため息をついた。

変な夢だった、

結婚願望強かったんだっけ私?

今の生活に不満とか?

そういうのないつもりだったんだけどな。












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