LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
。*.。*.。*.。*.。

「ううん……」

「何?」

「ちょっと背中開き過ぎじゃないかな

 襟元ももっと控えめにしておけばよかった。」

「彗が絶対これって聞かなかったくせに。
 
 だいたい私はスーツで行こうと思ってたのに、絶対ドレスって言って、

 レンタルドレスまで借りるはめになったのよ。」


「うん……そうなんだけどさ、

 なんか人に見せるのが悔しくて……」


「ストール巻けば、結構隠れるし

 もう時間ないんだからほら、行くわよ!」


今日は、例の陽向の婚約披露パーティ。

なんだか彗は一人で張り切ってて、

まるで自分のことのようにそわそわしっぱなし。

昨日だって、彗に押し切られて、レンタルドレスショップに行かされ、

当然のように付いてきたと思ったら絶対これにしろと、

今着ているドレスを借りる羽目になった。


もう、年甲斐もなくぴらぴらで、恥ずかしいったら、

しかもかなり深くスリットが入っていて、

あちこちがガッツリ開いていて、

慌ててストールも追加で借りたのだった。

「あ、柊そんな大股で歩いちゃダメだよ、

 スリットが、ああっ!」


もう、何言ってるんだか?

付き合いきれない。


まるで、花嫁の母のように私の周りをついてまわる彗に

呆れるばかり。








< 60 / 272 >

この作品をシェア

pagetop