LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
でも、そんな恋愛が長く続いていくうちに、

感情が磨り減ってしまった。

まるで愛人のような日々だった。



ぼんやりとひな壇を眺める私を、

隣で不安そうに見ている視線に気がつき、

はっとした。


彗。


心の中でごめんと唱えて、

そっと手を絡めた。

今の私を支えてくれてる優しい手。


陽向の気まぐれに合わせるのに疲れ果てた私を

掬い取ってくれた手。

愛されているという感覚を思い出させてくれた。

自分から陽向から離れたくせに、

気持ちを引きずる私を、

「セフレでもいい、

 ペットとしてでもいい

 柊を癒したい。」

そう言ってそばに居続けてくれた愛しい人。

大丈夫揺れないから。

ニッコリと笑って見上げた私に

安心したように笑顔になって、

彗は力を入れて手を握った。





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