LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
明るい部屋の広いソファーの端に座って、彼女が戻ってくるのを待っていた。

昨夜過ごしたパステル系の甘い雰囲気の部屋と違って、

黒白を基調に赤い家具が配置されている。

同じ間取りなのに、こんなにインテリアや、ファブリックでイメージ変わるのね。

私は、自分の置かれている立場をよく理解できないので、

そんなことを考えて気を紛らわしていた。


「お待たせしちゃったわね。」

昨日初めて会ったばかりの彼女は、

極上の笑みを浮かべて私の前にカップを置いた.

「あの?」


「大丈夫よ毒なんて入ってないから。」

「毒って……あの、意味がわからないんですけど?

 私、帰らないと、きっと心配してると思うんですよね。」


「心配?」


さっきまでの極上の笑みが、一瞬揺らっと歪んで、


「陽向様のことかしら?」


「陽向?なんで陽向が?]

「あら、違うの?」


「違うに決まってるじゃないですか、

 エレベーター前で待ってるって約束したのに

 いない私を心配して探し回っているはずです。」


「ああ、そういえばあなた

 年下の男をペットにしてるんだったわね。」

 馬鹿にしたような歪んだほほ笑は、

 少し狂気を孕んでいるようで、

 ゾクッとした。








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