LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「陽向様ではない?」

「陽向とは確かに別れてから会いましたけど、

 昨日の招待状をもらった時だけで、

 その一回きりです。」

「じゃあ、私の勘違い?」

「たぶん。」


「やだわ、私ったら……」

良かった、誤解は溶けてこれで解放される……と思ったのに。



「いいえいいえ!

 だとしても、あなたがあの方の心を縛っていることには間違いありませんわ。」


「え?」

「しばらくここで私と暮らしていただきますわ。」

「え?」

「私真剣です。

 決めましたの。

 親の決めた政略結婚だけれど、

 あの方に身もココロも愛されて結婚したいんです。

 でも、あの方の心にはあなたがいて、

 名前だけの婚姻なんて悲しすぎる。

 私、あの方を愛してるんです。

 だから、あの人の心が誰かのものであるのは許せない。」

「あの、でも私は仕事もあるし、

 それに、モトカノなんて気にしてたら、

 アイツの場合何人もいて、

 私なんか、全く持って愛されたって実感なんかなくって、

 それに、一緒に暮らす意味なんてないと思うんですけど。」


「あなたにはなくても私にはあります。

 私を愛してくれるようにプロデュースしていただきたいのよ。」

何を言っても暖簾に腕押し、

このずれたお嬢様は、

なにか決意して思いつめているけど

陽向はそれを知ってるの?

婚約者に全くこんなことさせて、どう考えているのかしら?


「私なんて見習うところなんて何もないですから、、

 放って置かれて、別れた女ですよ?」

それにしても、この人もこの人だよ。

どこまでも自己中な、

でもどこか許せるのは、

わかってしまうから、

陽向に振り回された昔の自分と重なる。

そうあの男は分かってない

待たされる女はいつも不安を抱えていることを……

だから私は……











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