LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
あの頃はいつだって不安だった。



ほとんどメールでしかやり取りできなくて、

一ヶ月も返信がないこともざらで、

あいつは気分屋で、定職もなくて、

(それは嘘だったけど)

日本にいないことも多くて、

そんなヤツと出会ってしまったのだからしょうがないと、

好きになってしまったのだからしょうがないと、諦めてた。


考えてみれば、あいつは自分のことほとんど明かさなくて、

それでもあったときは両手にも余る程愛してくれて、

だから離れることもできなかった。

恋しくて恋しくて

愛しくて

一人枕を濡らしたこともあった。



あいつのおかげで随分我慢強い女になった。


そんな私の心の隙間に入って満たしたのが彗。



欲しくてたまらないものを与えてくれたヒト


「心配してるだろうな。」


あんな別れ方になってしまって、

まるで、逃げたみたいじゃない。


傷ついた彗の顔が浮かんで

急に胸が苦しくなった。

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