ナンパ男との恋〜総集編〜
「・・・もしかして、
さっきの電話
気にしてんのか?」


「う、ううん?」


とっさに首を横に振ってしまった自分が 少し恨めしく思ってしまう意味不明な心理に 思わず 小さなため息をついてしまった。


「やっぱ気にしてんだろ?」


「少し・・・け、けど
ちょっとだけだから
そんな大丈夫。
誰にだって その
あらゆる人生があるわけで・・」


しどろもどろに
わけわからない言葉を並べている自分・・・


「ははは、あらゆる人生って
なーに言ってんだぁ?あははは
んな ぶっとんだ発想にできるなんて やっぱ春菜は すげぇな~」


すごいと言ってくれてるけど
褒められてるわけじゃないって事は分かる・・・

っていうか、
笑われてるし・・・



そんな中、再び輝樹の携帯が鳴った。


さっきとは まったく違い
画面を確認すると、


「はい、おー 健二。
ははは 珍しいだろ?あぁ、
春菜が電源入れろって言うから
さっき入れた。あぁ、つーか
お前も 電源入れた途端かけてくるなんて
監視でもしてんのかぁ?
はは、あぁ、分かった分かった
そん時は また電話するわ。
じゃあなー」



電話を切ると同時に
私の方を見ながら


「なぁ・・・
電源落としてもいいか?」


頷こうとした時
また 輝樹の携帯が鳴り響き
だるそうなため息をつくと


「はい・・・お疲れ様です。
いえ、あー・・さっきも言ったように
無理ですって・・・
いや、そういうわけじゃなくて
俺の性格知ってるじゃないですか。
目立つような事したくないんですよ・・
そうは言っても・・・
いつもとは違うわけでしょ?
・・・あー、もう
分かりましたって!
はいはい・・・・」


不機嫌そうに電話を切り
頭を抱えると
携帯の電源を切るなり
ベッドに放り投げた。


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