ナンパ男との恋〜総集編〜
「春菜、来い」

「あ、はい・・・」

心配そうに見る正樹くんを後に、輝樹の部屋へと向かった。

「座れ」

この様子だと
たぶん・・・・
かなり、怒りモードの輝樹。

おとなしく座り
ただただ、うつむくだけの私の前に座り

「春菜、何考えてる?」

私の顔を無理矢理 輝樹の顔の前に向かせ

「何考えてんだ?」

そう真剣に言われると
こんな状況なのに
心臓が破裂するんじゃないかと思うくらい 鼓動が早くなる。

「何も考えてないよ」

「嘘つくな。
正樹に聞いたんだろ?」

「聞いたけど・・・・」

「けど・・?」

「私、本当 最悪な女だけど
私には・・・・・
輝樹と別れる勇気なんてないから・・・・・
だから・・・」

「だから・・・?」

「ごめんなさい・・・・
キライにならないで・・・」

少しだけ声が震えながら
視線を落とし、輝樹の言葉を待つ私の頭を 軽く叩くと

「キライになるわけねぇだろ。
誰だって、酒の失敗くらいあるから 気にすんな。
その代わり
俺以外の奴の前では絶対 酒飲むなよ?」


急に そんな優しく言われると
張っていた気が緩んで 涙が出そうになる・・・
必死で堪えながら

「うん・・・・」

そう言うのが精一杯だった。

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