大丈夫。~私とあなたをつないでくれた一通の手紙~
辺りを見回しても
私の周りには誰も居ない。
「ど、どこ!?」
「こーこ。」
ふっ、と顔を上げると、木の上に男子が。
「ふふっ」と小さく笑う彼がこちらを見ていた。
だ、誰…?
って!?
「か、勝手に人のテストを見ないでください!!」
「よっ」と身軽な体で木から飛び降りた。
す、すごっ。
あんな高いところから…。
「ふーん」
私の手に握られていたテストをすっと奪った。
「って、ちょっ…!ひ、人の話聞いていました!?」
私の声なんか耳に入っているのやら。
私のテストを一枚一枚じーっとみている。
奪い返そうとも思ったが、どーもこーもできず。
「んー…おしいね」
「へ?」