【BL】初恋いただきます。
マグカップをテーブルに置いて、膝を抱えた。
「最初は暴力から始まった。幼い頃何度も何度も殴られた。服で見えない所ばかり。俺の世話をするのはあの人だったから、誰も傷に気づかなかった。」
要さんは無言で俺の肩を抱き寄せた。
「誰かに助けを求めれば良かったんだけど、俺はそうされるのが当然だと思ってたから。」
「…………」
「でも俺が中学生になった頃から変わり始めた。暴力は変わらず続いていたけど、それに加えてあの人は俺に性的欲求を求めてきた。」
無意識に身体が震えた。
今思い出しても気持ち悪い。
「もちろん最初は抵抗した。けれどそれも次第に諦めた。俺はただ耐えるだけ。されるがままに受け入れることしかできなかった。」
もっと詳しく話すべきなんだろうか。
でも思い出したくない。
今は、これだけ話すので精一杯なんだ。
「………納得した。」
要さんは徐に呟く。
「どうりで俺に抱かれたとき抵抗しなかったわけだ。妙にあっさりと受け入れてたから、抱かれたことはあるだろうと思ったが。」
「……やっぱ軽蔑する?」
「馬鹿が。」
要さんの手が伸びてきて、指先が額を弾いた。