輝く心は空の星




私はゆっくり目を開けた。


するとそこには………








「………お父……さん?」





私が寝ている病室のベッドの横で椅子に座って寝ていたのは…


紛れもなくお父さんだった。



私が発した声に、お父さんは目を覚ました。



「……絵梨……」



そう言うとお父さんは私の頭を撫でながら言った。



「…ごめんな…まさかお前がこんなに辛い思いをしているとは思わなかった…」



お父さんは…


泣いていた。



私はゆっくり首を振った。



「お父さんがストレスを溜めてうつ病なんかになってしまったから、お母さんや翔太や絵梨を傷つけてしまった。家族が壊れてしまったのは、お父さんのせいだな…」



「…そんなこと…ないよ…」



「お父さんわかったんだ…仕事に行けないことが、どれだけ家族に迷惑をかけ、どれだけ辛いのか…絵梨が学校に行けずに悩んでいたときの気持ちが、病気になってようやく分かったんだ…」



お父さん…



「もううつ病から逃げないで、お母さんと翔太、もちろん絵梨も大切にする。ちゃんとお父さん現実と向き合うよ」



「……病気の辛さが分かってくれただけでも……嬉しいよ…」



声を精一杯振り絞った。




「お父さん頑張るから。絵梨も白血病なんかに負けずに頑張るんだぞ!そして元気になったら、また家族四人で一緒にご飯を食べような」






お父さんがまた戻ってくれた。


私はそんな優しいお父さんが大好きだよ…?


私は泣きながらゆっくり笑って頷いた。




「絵梨は充分頑張ってるわよね〜」



そのときお母さんと翔太が病室に入ってきた。



家族全員で揃うのは久しぶりだった。



夢って叶うものなんだね。



どうやら私は合格発表のときに倒れた後、お母さんと玲が車で病院まで運んでくれて、まる二日間寝ていたらしい。


その間に、私の側には玲がずっとついていてくれて、お母さんとお父さんがゆっくりと話をしていたみたい。






「絵梨、高校合格おめでとう」






家族みんながおめでとうって言ってくれた…






私は涙が止まらなかった。


また家族で笑いあえたことに…






カナリアの先生方には玲が私の合格を伝えてくれたらしい。





そしてカナリアの先生から中学の先生にも伝えてくれたとお母さんから聞いた。







神様は、ちゃんと私の頑張りを見ていてくれたのかな…?
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