保護者な幼馴染くん
中学の卒業式が終わったその日の夕食時

だった。




「美波さん、実はお話ししたい事があり

まして。」




「どうしたの?改まっちゃって」




この優しそうに微笑む女性は美波さん。

私の亡くなった母の親友であり、母が亡

くなり行き場の無い私を引き取ってくれ

た。




「あの....以前、私の母が残した通帳があ

ると仰ってましたよね。」




「あるわよ。それがどうしたの?」




「高校に入ったら一人暮らしを始めたい

んです。いつまでもここでお世話になる

わけにはいきません。」





「そんなっ、気を使わなくていいのよ?

私、鈴ちゃんの事大好きだから本当の娘

の様に思ってるし、まだ一人暮らしなん

て心配過ぎるわ。」





「そうだよ、鈴。鈴が一人暮らしなんて

心配で気がきじゃない。...どうしていき

なり?」




この子は空くん。美波さんの息子で私の

大切な幼馴染。

空くんは頭がいいから有名な進学校に行

くと思ってたんだけど、そこには行かず

私と同じ高校を選んだみたい。

同じ学校に行けて嬉しいんだけど、本当

勿体無いと思う....




「空くんまで....実は一人暮らしの事は中

学の時から考えてたの。いつまでもここ

でお世話になるのは申し訳ないし、お母

さんがお金残してくれたみたいだからそ

のお金で一人暮らしできるかなと。」
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