君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
どれくらいの時間そうしていただろうか。

気付くと菜々子から漏れる甘い声。その声に唇を離すと、火照った顔で俺を見る菜々子に感情が抑えられない。

そしていつの間にか菜々子の身体を支えていた。

「…ごめん、ご飯の前に菜々子を抱く」

「え…」

菜々子の返事など聞かず、そのまま抱き上げ寝室へと向かう。
そっとベットにおろし、至近距離で菜々子を見つめていると、菜々子は恥ずかしそうに顔を背ける。

「…そんな、あまり見ないで下さい…」

「なんで?」

こういったところが可愛くて仕方ない。

「なんでって…なんででもです」

そう言うとまるで子供のように頬を小さく膨らませる菜々子。
本人は無意識のうちにしていることかもしれないけど、俺には堪らない気持ちにさせられてしまうって分かっていないんだろうな。

そんな菜々子の頬に触れ、視線を戻す。もう逸らせないようにして。

「…好きだよ、菜々子…」

どうしようもないくらいに。

それからはただ夢中に菜々子を求めた。
時折漏れる甘い声がその欲望を煽っては求めて。

なにがあっても一生離さない。

どんな俺も笑わず受け入れてくれる。なんでも一生懸命で可愛くて愛しい。

そんな菜々子を絶対に…。
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