君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「もっと楽しく仕事しようよ」

「え…あー!!」

伸びてきた手。その手によって落とされるパソコンの電源…。

ちょっと待ってよ。まだ保存してないんですけど!!

「副社長!?一体どうしてくれるんですか!!」

怒りのあまり立ち上がり副社長を睨む。

「あはは、ごめんね?」

私はこんなにも怒っているというのに、副社長はいつものように笑っているだけ。

「すみませんが笑いごとじゃ済まされません!」

これじゃ残業確定じゃない!!

「大丈夫!俺も手伝うからさ。だからマロンケーキ食べに行こう」

いつもの副社長であることに変わりない。だけどあまりの能天気さに立ちくらみがしてしまう。

「ほら、顔色悪いし!甘いものでも食べて少しリフレッシュしようよ」

「え!ちょっと待って下さい!」

私の返事など聞かず、いきなり腕を掴むと歩き出す副社長。

「この間さ、会社の近くで美味しいケーキ屋さん見つけたんだ。食べる場所もあったから紅茶でも飲みながら食べてこようよ」

「そんな暇はありませんって!」

「いいからいいから」

語尾に音符マークがついているんじゃないかってくらい上機嫌な副社長。
本当にケーキなんて食べてる余裕なんてないのに!!

…だけど勿論私の願いなど叶うはずもなく、副社長に引かれるまま会社を後にした。
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