君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～

そう自分に何度も言い聞かせる。

「そんなわけで、俺は俺なりに頑張らせてもらうから。いいだろ？人の気持ちを止める権利は誰にもないんだから。…それに二人がお互いを信用していれば俺がなにしようとなんの問題もないだろ？」

まるで副社長に全てを見透かれているような言葉を言ってくる。

そうよ。副社長の言う通りよ。私は圭吾さんのこと信じているし、圭吾さんだって私のことを信じてくれているはず。私達が変わらなければなんの問題もないはずよ。

「…分かりました。私はもうなにも言いません。だけど仕事だけは真面目にやって下さい」

「…相変わらずつれないなぁ、櫻田さんは。勿論分かっているよ。これでも時期トップですから」

「ならいいです。…仕事が残ってますので失礼します」

一礼し、副社長室を出ようとしたとき

「あっ！ごめん業務連絡」

思い出したかのように私を呼び止める。

「…なんでしょうか？」

振り返り見ると、いつものようににこにこと私を見つめてくる。

「この間のお見合い、こう言って先方に断っておいて？…副社長には私という運命の相手がいますので、残念ながらあなたとは結婚できませんって」