君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～
「私はそう思ってました。だってなかなか言えないでしょ？好きな人にちゃんと過去と向き合って下さい、なんて。それに女嫌いになった圭吾を落とした人だもの。完璧な人なんだろうなって思ってもおかしくないですよ」

「それは…ズルい考えからです。離れていて悲しい思いするんだったらって逃げただけです…」

二人のことを想像して過ごすのが嫌だったから。

「でもそれが当たり前な感情ですよ。櫻田さんも私も同じ。逆にその感情を押し殺してしまったら、人間じゃなくなってしまうと私は思いますよ？」

人間じゃなくなる…？そうなの？

「……私、いいんですかね？これからもずっと大貫さんと圭吾さんの過去に嫉妬ていても」

聞きたい。大貫さんの答えを。

じっと大貫さんを見つめながらそう聞くと、大貫さんは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに笑って答えてくれた。

「そんなの当たり前じゃないですか。私だって圭吾のことなんてきっと一生忘れられないと思います。圭吾という存在は私の中ではあまりに大きな存在だから、きっとこの先も残る形は変わるかもしれないけど、絶対に消えることはないと思います」

その言葉を聞いて、ずっともモヤモヤと心の中にかかっていた霧が一気に晴れた気がした。
大貫さんが一瞬でその霧を吹き飛ばしてくれたんだ。
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