君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
落ち着いてきたのか、圭吾さんは私を見る。

「普通そんなこと言えるか?自分を好きだと言う相手に」

「でもそれは本当の気持ちですし!…それにちゃんと伝えないと私も副社長も前に進めないと思って…」

そんなに笑っちゃうようなこと?

「…そうか。前に進めない、か。…でも酷くないか?俺のことまで言って」

「……本当のことじゃないですか」

だって仕事を辞めろって言ったのは、嫉妬してくれたからでしょ?

「…まぁそれもそうだけど…。でも副社長に言うことないだろ?絶対それをネタにしてしばらく言われそうなんだが」

「……どうでしょうか」

あぁ、言えないわ。まさにその通りですって。

「でもそうか、…ありがとう。そう言ってくれて」

そのまま圭吾さんに抱きしめられる。

「俺もこの一週間色々考えていたよ。…だから奈津美に電話した」

あ、そういえばさっき空港でもそんなこと言っていたわよね。

「大貫さんとどんな話をしたんですか?」

「うん…。俺さ、奈津美に今まで菜々子の話しをしたことがなかったんだ。きっと菜々子の言う通り完全に奈津美を過去にできていなかったんだと思う。…だからちゃんと伝えたよ。俺にとって菜々子はどんなに大切な存在か。そして結婚することも。…全て伝えた。もう過去は振り返らないって意味も込めてな」
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