君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「…そうでしょうか?」

言いすぎちゃったかな、私。

「でもまぁ…。あの人にはそこまで言わないとはっきり伝わらないだろうな。それに少しいい気味だ」

「えっ!?」

今言ったの、圭吾さんだよね!?いい気味だって。

「…なんだよ。そんなこと俺が言わないと思ったか?残念だけどそう思うのは当たり前だろ?堂々と俺に菜々子を奪うって言ってきたんだから」

そう言いながらまるで子供のように拗ねる圭吾さんが、私にはとても可愛く見えてしまってつい笑ってしまった。

「…嫌いになったか?」

笑われたことに不安になったのか、心配そうな面持ちでそんなことを聞いてきた圭吾さん。
そんな圭吾さんにますます笑いが止まらなくなる。

「…逆ですよ」

「え?」

そんな圭吾さんの耳元でそっと囁く。

「…もっと好きになっちゃいました」

そんな意外な一面を知るたびに、好きって気持ちがまた形を変えて大きく変化していくんだ。

「…これからもこうやって意外な圭吾さんを私に見せて下さいね?」

そして私のことも知ってほしい。
だってきっとまだまだ私達、お互いのこと知らないことがあるでしょ?

「分かった。…これからも喧嘩しながらもこうやってずっと一緒に生きていこうな?」

甘い顔でそう囁く圭吾さん。
その声で囁かれると、身体中がむず痒くなる。
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