君が好き。2～大好きな彼と結婚する方法～

番外編 彼の両親と初対面

それは、北海道出張から一か月後のこと。

「…ちょっと。食事中にそんな溜息ばかりやめてくれない？」

オープンカフェで昼食中、目の前に座る亜希子が怪訝そうに言ってくる。

「だって溜息も漏らしたくなるわよ。…いよいよ明日なんだもの」

「いよいよって…あぁ、そうだったわね。東野さんのご両親と会うんでしょ？」

そう。いよいよ明日圭吾さんのご両親と初めて顔を合わす。
しかもわざわざ東京に出てきてくれるみたいで、都内のホテルのレストランで会う約束になっている。

「そういえばあなたテーブルマナーは大丈夫なの？３２にもなってできないなんて恥ずかしいわよ？」

「分かってるわよ、ちゃんと勉強してるし。少しでもいい印象持ってもらいたいじゃない？」

圭吾さんのご両親なら尚更よ。それにこれから一生付き合っていくわけだし。

「そういえば今まで気にしたことなかったけど、東野さんって兄弟はいるの？」

「うん、お兄さんがいるみたい」

「ならよかったわね。次男坊最高じゃない。あとは明日、菜々子が変に張り切りすぎていつものように空回りしないよう祈っているわ」

そう言ってアイスコーヒーを飲む亜希子。

「ちょっとそんな現実に起こりそうなこと言うのやめてよね」