君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「っおい!桜子!!」

「わっ、わりぃ。つい……」

「つい、じゃねぇよっ!!」

すぐさまティッシュで拭く翔太。
そんな翔太に悪いと思いつつも、それ以上は素直に謝ることができなかった。

「……っとに。……で?その和也君となにがあったんだ?」

「え……?」

翔太の言葉に驚いてしまった。だって私、和也君のことで悩んでいるなんて、翔太に一言も話してねぇし。
するとそんな私を不思議そうに見つめながら、翔太は話し出した。

「え、なに?もしかして俺が気付いていないと思った?」

「いや、だって私……一言もそんなこと言ってねぇし!」

すると翔太は得意気な笑みを見せた。

「バーカ!何年桜子の幼なじみやってると思ってんだよ。……お前のことなら、単純すぎて、丸わかりだっつーの!」

翔太……。

翔太の言葉が嬉しいって思いつつも、素直にその感情を言葉にすることが出来ない。

「……単純すぎてっていうのは、余計だっつーの」

するとそんな私の性格なんて、お見通しとばかりにすぐに言葉が返ってきた。

「本当のことだろ?」

そう言われちまうと、言葉が出てこない。

そうだよ、本当のことだ。
自分の感情は、いつもうまく隠すことができない。
だから昔から翔太や菜々子には、すぐにバレちまう。

「……なぁ、翔太。……好きな人に、さ、他に好きな人がいたら……その、やっぱ諦めるべきなのかな?」

「え……」

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