君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「だから地元に帰ろうって」


「いやいや、なんで急に?そんな話なかったわよね?」


「あぁ。いやさ、昨日たまたま高校の時の友達と電話で話していたら盛り上がっちまってさ。そんでみんなと会いてぇよなって話になってさ」


「うん、それで?」


「それで明日の夜、プチ同窓会をやることにした」


やることにしたって...。


「悪いけど私は行けないわよ」


「はぁ?なんでだよ!休みだろ?」


「休みだけど行けないのよ!...自宅謹慎中だから」


「えっ?自宅謹慎?なんで?」


「...実は」


私はつい最近の出来事を桜子に話始めた。


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ーーーーー


「あっはははは!!バッカだな、菜々子は!」


「...ちょっと。そんなに笑うことないじゃない」


話している途中から何度も吹き出しては笑いを堪えていた桜子。

そして話終わるとほぼ同時に桜子は大きな声で笑い出した。


「ばか野郎。これが笑わずにいられるかっつーの!さすがは菜々子だわ!お人好しすぎ!そんで自宅謹慎にボーナスカットって...。アハハハハ!」


再度笑い出した桜子に怒りがこみ上げる。


「とにかく!そんなわけだから私は行けないからね!」


自宅謹慎中に地元に帰るなんてあり得ない。バレたら大変だし。


「えー、別にバレなきゃよくね?しかもけっこうな人数集まってんだぜ?」


「えっ...」


「かすみや美紀達も来るって言ってたし、翔太も行くって言ってるしよ」


懐かしい名前。もう何年も会っていない友達の名前に決心が揺らぐ。


「久々に三人で帰ろうぜ。たった一泊だけだぜ?バレやしねぇって。万が一見つかったら親父が危篤でとか適当に誤魔化せばいいじゃん」


「ちょっと勝手にお父さんを危篤状態にしないでよね!縁起でもない!」


本当になっちゃったらどうしてくれるのよ!
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