君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「なんだよ、冗談なんだから真に受けんなよ。なーなー!行こうぜ!みんなも菜々子に会いたがってるし、菜々子だってみんなに会いたいだろ?それに久々に親にも元気な顔見せてこようぜー」


うぅ。あんなに往かないって決めていたのに...。

結局桜子の誘惑に負けて来てしまった。


どうにか誰にも見られず東京を抜け出しほっと一息つけた。


「ほら、菜々子」


「ありがとう、翔ちゃん」


買ってきてくれた珈琲を受け取る。


「だけど大丈夫なのか?自宅謹慎中に来ちゃって」


「いやいや、本気でかなり不味いわよ。...だけどどうしても誘惑に勝てなくてさ」


翔ちゃんが買ってきてくれた珈琲を開けて飲む。
さすがは翔ちゃん。私の好みをよく分かっているチョイスだわ。


「誘惑、ね。まっ、俺も菜々子と同じだよ」


「えっ?」


同じ?


「本当は仕事が山積みだったんだけどさ、桜子の誘惑に負けた。やっぱ会いたいじゃん?みんなに」


そう言って笑う翔ちゃんにつられて私もつい笑ってしまった。


「最近俺、式挙げたばかりじゃん?久し振りにみんなに会えたけど呼べたのはほんの一部だったからさ。今回はみんな来るって言うし会える時に会っておかないと。今度はいつ会えるか分からない年齢になっちまったしな」


「確かに!...そうだよね、翔ちゃんの結婚式に来られたのはほんの一握りの友達だけだったもんね。...でも、楽しくて凄く素敵な結婚式だったよ?」


宏美ちゃんは綺麗で可愛くて。アットホームなあたたかい式だった。


「サンキュ。...次は菜々子の番だろ?余興とか任せろよな」


「本当?それは今から楽しみだな」


「まぁ、話は反れちゃったけどさ。もう地元に向かってるわけだし明日までは会社のことは忘れて久々の同窓会、楽しもうぜ」


「うん!そうだね」


「おーい!酒買ってきたぜ」


姿が見えないと思ったら店内販売が待ちきれず自ら出向いて買ってきた桜子に、私も翔ちゃんも呆れてしまった。

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