『友人狩り』
街を見渡せば若者ばかりが目に付くようになった国である。
現在では、大人が若者に怯えている時代だった。

いつ、どこで、どんなときに若者に何をされるかわからない。

しかも、ほとんどの若者は複数で動いているため、威圧感だけでもヒシヒシしていた。

その状況を眺めていた日本大国の国王様は、若者に3つの質問を書いたアンケートを実施した。



Q:『アナタの携帯には何件のメモリーが入っていますか?』

A:『500件以上48%、300~400件31%、100~200件12%、100件以下9%』

Q:『その中で何件が友人のメモリーですか?』

A:『ほとんどの人が9割以上が友人のメモリーで、他には仕事仲間、お店の番号など』

Q:『アナタはその友人を裏切ったことがありますか?』

A:『いいえ…82%、はい…18%』



国王様はアンケート集計を見ながら呟いた。

「ほぉ~う。裏切ったことがない82%か…。」

国王様はアンケート集計の用紙をヒラヒラさせながら1つの提案を思いついた。

<本当に裏切らないのかねぇ…。>

国王様は窓の外から見下ろした街を見つめながら不敵に笑い、近くに置いてある呼び鈴を鳴らした―。


この国王様の1つの提案から『友人狩り』が始まった。
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