『友人狩り』
「まだ、1日目だ。実感しないのもわかるけどな…。でも、日が経つに連れて確実に仲間は減っていく。」

「何で?郁哉はそう言い切れるの??」

雫はいつの間にか震えている手を見つめながら言った。

「忘れたのか??家を出て行くときの親の顔を…。」

雫ははっと郁哉に顔を向けると、郁哉は複雑な顔をして雫を見ていた。

「あんな顔を見たときから俺は何かあると思ったな。それが…これだ。」

郁哉はそっと立ち上がると窓の傍まで歩き、カーテンの隙間から外を見た。
そして、振り返り雫に

「もう、寝ろ。」

と言い、部屋を出て行った。
カチコチと時計の音が雫を包んでいた。
時計は4時を差そうとしているところだった。

<あと数時間、眠ることができるだろうか…??>

雫はゆっくりと立ち上がった。

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