オモイデバナシ
俺は呼吸を乱したまま話を続ける。

「大阪…誘われてるんだろ?彼氏が転勤するから、ついてきてほしいって、言われてるんだろ?」

「……」

千秋は無言のまま肯定する。

…もう、小細工なんてするつもりはなかった。

「行くなよ」

俺は千秋を真っ直ぐ見て、言う。

「行くなよ千秋。ずっとそばにいてくれ」

…それは、もっと早くに言うべきだった言葉。

千秋に彼氏が出来る前に、言うべきだった言葉。

でもそんなの構わない。

なりふりなんて構っていられない。

千秋が遠くに行ってしまうくらいなら。

千秋が誰かに奪われてしまうくらいなら。

どんなに見苦しくても言ってやる。

「俺のそばにいて欲しい。千秋、行かないでくれよ」






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