一途な彼女と意地悪な彼
「あっ!……ごめんっ、椿。今日はやっぱりバイト来てって言われてたんだった。一人これなくなっちゃったみたいでさ。」
「えぇ!?」
「ほんとごめんね。ってことで、祐介と帰ったら?」
……裕、なるほどね。
あたしとこいつを一緒に帰したいんだ。
余計ことをっ。
あたしが意地悪されてるところ見たいなんて……。
(そんなことは思ってません。by裕)
「ふっ。決まりだな。ほらさっさと帰るぞ。」
んなっ!
「裕が帰れなかったとしてもあんたと帰ることにはならないっ。あたしは一人で帰る。」
もうこりごりだよ。
なれてるとはいえ、好きな人にこうも言われちゃうと、少なからずへこんでしまう。
それがあたしは嫌なの。