一途な彼女と意地悪な彼




「……ほんっとあり得ない!」
「いつものことじゃん。」


今は休み時間で、親友の那須田 裕に、祐介のことを愚痴っているところ。

裕は、小学校の時からの友達で、今では親友だ。
すっごく美人で、優しくて、でも性格ははっきりしてて時にはカッコいい。


「……気づいてるかわかんないけど、いつも休み時間は祐介の話ばっかりじゃない」
「……んなっ!……そんなことはない……」


……ないことないかも。


「仕方ないか。意地悪されてもまだ祐介のことを好……」
「きじゃない!」


あんなやつなんか好きじゃない……。


「そっ。……まだ気にしてるの?」
「……してないよ。もう全然っ」


気にしてるってのは、
あたしが告白したときのこと。
あの酷い告白のことは、裕も知っている。


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