一途な彼女と意地悪な彼


ちょっとだけ、祐介を見てみると、


「…え?うそ」

何で…、祐介も顔が赤い?
人ごみだからかな?
それとも…、さっき顔をそらしたのは…。


「祐介」


あたしは少し調子に乗りすぎたみたい。
今日はあんまり意地悪をされないから。
いつもなら聞けない言葉。


「どうして、今日はあたしと来たの?」


いつもなら、こんなこと聞いても、やな風にしかいんれないけど、今日なら…今ならって思った。


なのに、

「それは…気分?そう、その時の気分だよ。深い意味はないし、まずあいつらが……」
「…そっか。いいよそれで。いつもより何倍もいい。ありがとう。あたしと来てくれて」
「…は?なにそれ」
「いや?さっもっとたべよー!」


やっぱりダメだった。
祐介は、ふざけてるときは違うんだけど、あたしが少しでも真面目な顔して聞くと、うそつくときは目が泳ぐ。

さっき目が泳いでたし。

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