一途な彼女と意地悪な彼
「だからっ!…待てよ」
帰ると言っても引き下がってくれない祐介。
何時もだったらとっくに…いや、何時もだったら追っかけても来ないか。
今日の祐介は変だ。
「なんのために…」
「え?」
何かを発した祐介、声ご小さくて聞き取れない。
「いや…何でもない。早く戻るぞ」
「ねぇ。あたしって祐介にとってなんなの?」
いつものことだ。
あたしは、少しでもいつもと違う祐介をみてしまうと、なぜだか、いつもは到底聞けない、そんな勇気もないのに。
そして、所詮はいつもと同じ結果。
分かってて聞いちゃうんだ。
でも、なんでだろう。
いつの間にか聞いてしまう。