一途な彼女と意地悪な彼
先輩が帰っていく方を角を曲がるところまで見ていた。
家の中に戻ろうとすると、そこには祐介がたっていた。
「えっ?ど、どうしたの?」
なんだろう。
最近喋っていない所か、目も会わせていなかったのに。
今は目をそらさずに見てくる。
そのせいか、緊張が生まれる。
「今の……なに?」
「え、えと、……か、彼氏?」
祐介には言いたくなかったな。
あたしは祐介が好きなんだからって、言いたくなるよ。
「あっそ。…お前でもモテたんだ。お前でも……何で俺じゃないんだよ…」
小さい声で、最後の方が聞こえない。
でも、祐介の表情が、焦ってるような、苦しいような悲しいような、そんな表情をしている。
何で?