同期が急に変わったら…。
東亜でしっかり説明出来たし、

将生に電話しようかな。




ソファーで寛ぎながら、

そんな事を思ってたんだけど。




………。




♫♫♫〜

携帯の着信音が鳴り続いている。



少しずつ意識がハッキリしてきた。





あー、寝てた?

いつの間にかソファーで寝てたみたい。






携帯を手に取って、

液晶の画面は、『将生』。




まだ眠い感覚のまま、

画面の通話にタッチした。




『もしもし?』

『いずみ?』




将生の低い優しい声。

なんだか、ホッとする。





『うん、将生?お疲れ様。』

『お前、なんで電話しない?』





そう言われて、

部屋の時計を見たら

12時10分。





あ〜、

日付けが変わる前に電話しろ

とかなんとか言ってたよね。




あのね、

電話はするつもりだったんだよ。




『ごめん、ごめん。
ソファーで寝てた。』


『風邪ひくぞ。』


『風邪?ひかないわよ。』


『ふっ。そうだな。
バカは風邪引かないもんな。』



なんだと?

失礼なヤツ。



『そのまま、その言葉お返しします。』

『いらね。』




まあね、

将生の事は本当は尊敬してるよ。




『はいはい。
将生は、バカじゃないね。

あの書類、すごくよく出来てた。』


『そりゃ、どーも。
で。東亜、どうだった?』


『専務、食いついてたよ。
将生によろしくって。』


『そうか。来週、また行くぞ。』


『うん。でもさ、
あの専務、今日はセクハラ、
パワーアップしてた。』


『チッ。エロ専務か。
………、いずみ、悪かったな。』


『全然。あんなの、平気だけどね。』




平気じゃないけど、

そうとは言えない。

言えない年頃。




『いずみ、来週行く時は
俺から離れんなよ。』


『だから、大丈夫だってば。』


『俺がいやなんだよ。
黙って、俺の後ろにいろ。』




あらら〜。

ちょっと頼もしいじゃないの。

まあ、上司としては、当然か。




『うん、わかった。ありがと。』

『いいえ〜。』




ちょっと優しさにグッときた。
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