幼い頃の小さな約束
あたしの足音に気づくと、亮太は振り返った。
そして、ぱあっと顔を輝かせるとにっこり笑った。
その笑顔は、あたしのドロドロの感情を溶かしていくようだ。
「理沙!俺、似合うかな?自分じゃよく分からなくて」
両手を広げて、あたしに見せてくる姿は、悔しいくらいにカッコいい。
亮太は、何を着ても似合うに決まってる。
「まあ、似合うんじゃない?あたしは、良いと思うけど」
あたしがそう言うと、亮太は本当に嬉しそうに笑った。