幼い頃の小さな約束




長めの前髪をサイドに流し、黒いネクタイを締めて。

黒いベストを着たその姿は、完全な王子様のように輝いていた。





木野君のおかげで、女のお客さんも増えている。

今だって、周りにはたくさんの女の子の集団が。







木野君は上手に、表情を隠しているが、絶対に嫌がっていると思う。


つい最近知ったことなんだけど、彼は香水の匂いが嫌いらしい。




女の子は香水をつけている子が多いから、彼には今の状況は地獄のようだ。






それでも、みんなに席を案内して注文をとっている彼は、とても素敵だ。








< 150 / 262 >

この作品をシェア

pagetop