幼い頃の小さな約束
「言うわけないじゃん。絶対怒るもん、京香ちゃん」
ケラケラと笑って、ゆきはあたしを見る。
目の端には、にじんだ涙があった。・・・笑いすぎでしょ。
それにしても、ゆきはこんな風に笑う子だったんだ。
自己紹介ではすっごく震えてて。
男子に話しかけられたら、さりげなく視線を逸らしていたのに。
あたし達と話すゆきは、まるで別人だと思う。
コロコロ表情を変えて、見てるこっちが笑顔になる。
ゆきは不思議だなって、なんとなく思った。