代償
数人いた下時組の男たちは………
「ね?パフェ奢って?」
………。
一瞬で潰れた。
パフェは、何?

宙を舞うように、躍り、普通の笑顔じゃない笑顔でキャーラは潰した。
「文ちゃん、凜子、大丈夫だよね」
「大丈夫だけど、文香ちゃん………」
………震えてる。
一瞬のことだったけど、怖かった。

前橋組が、最強なわけを知った。
「文ちゃん。ごめんね。怖い思いさせて。でも、上時総長に言われてたんだ」
ぬいぐるみを再度抱いて言う。
「奴等が来るから、守れって」
「日常とのギャップが激しいんだって」
………うん、それもある。
本当に下時組が来たのが怖くて………。
「文ちゃん、安心して。僕たちは上時総長に喧嘩を教え込まれたんだ。絶対に守るから」
………はい。
「天下の上時総長だからねー。キャーラなんか泣いてたじゃん」
「だって怖かったしー」
「バカね。泣かないほうがおかしいよ」
………そうなんだ。
「じゃ、行こっか。料理の下準備があるでしょ?」
確かに。

キャーラのあとを追って、マンションに向かう。
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