代償

休日は居酒屋へ。

「文香、行くぞ」
へ?
休日、上時は言った。
どこへ?
「行く場所は行けば分かる。行くぞ」
え!?
あっ………え!?
ちょ、ちょっと!
服くらい替えさせて!
「制服はダメだ。普通の私服だ。3分時間やる。着替えろ」
はぁ!?
何ソレ!!
どっちにしろ、命令形!
もう………。



………へ?
あ、あの………。
「いらっしゃぁーい!!!」
ここ、居酒屋………だよね?
え!?
何で前橋組の人がフルでいるの!?
「お!!上時総長!!!!」
ん?
店内は、凄い密度で………。
………氷北組?
んー………。
「よお!」
「久し振りだな!ちょくちょく来いって言ってんのに!」
「わり、面倒くさかった」
「ひでぇ!!」
長い髪をポニーテールに結い上げた人。
この人、氷北組の族長………?
確か………。
「あっこの子?可愛い子だねぇ」
「文香だ。発声障害で声は出ないが」
「そっか。オレは氷北組族長・一ノ倉氷(ひょう)って言うんだ。よろしく!」
氷………さん。
「蓮華(れんげ)は?」
「ウエイトレスしてる…………ほら」
「文香の話し相手になるか?」
「なるなる!蓮華ーー!!」
………へ!?

小走りで来たのは。
私と歳が同じくらいの人。
「何ですか?」
「この人、前橋組族長でここらの総長、上時総長だよ」
「総長!」
「そうそう!総長。で、この子、上時総長の恋人的な、文香ちゃん」
「文香ちゃん………よろしく!私、蓮華って言います!」

わぁー………!!
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